麒麟とは何か?長谷川博己/本木雅弘/池端俊策
麒麟とは何か・・・戦国の英傑たちをどう生きるか。明智光秀役の長谷川博己さんと斎藤道三役の本木雅弘が、脚本を手がける池端俊策さんと徹底的に語ります!
明智光秀(あけち・みつひで):長谷川博己
本編の主人公。武士としては身分の低い美濃の牢人として生まれるが、勇猛果敢な性格と、類いまれなる知力を、美濃を牛耳る斎藤道三に見いだされ、道三の家臣として重用されるようになる。
斎藤道三(利政)(さいとう・どうさん/としまさ):本木雅弘
美濃の守護代で光秀の主君。一介の油売りだった亡き父とともに親子二代で美濃の国盗りを目指す戦国下剋上の代名詞的存在。天才的な軍事力と狡猾こうかつな政治力を持ち、金銭への執着も強い。
脚本家:池端俊策
誕生日 1946年1月7日(74歳)
出身地 日本の旗 日本・広島県呉市
主な作品『太平記』『聖徳太子』『夏目漱石の妻』
池端 俊策(いけはた しゅんさく、1946年1月7日)は、広島県呉市出身の脚本家。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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「麒麟がくる」の意味は?麒麟という概念を問いかけていくドラマ
麒麟は平和な世に現れるという伝説の生き物。しかし人間の争いはなくならない。永遠の課題です。 果たして争いの無い世は来るのか。「麒麟がくる」は、そんな問いかけを込めたタイトルなんです。
『麒麟(きりん)』(qilin チーリン)とは、中国の神話に登場する伝説上の霊獣です。
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の製作発表では、『麒麟(きりん)』とは、王が仁のある政治を行う時に、頭上に現れるとされる中国の伝説の霊獣であると解説されています。
鳥類の長『鳳凰(ほうおう)』は有名ですが、麒麟は獣類の長として、しばしば鳳凰と対(つい)で扱われることがあります。
とはいえ諸説あり、麒麟と対応するのは鳳凰から生まれた鸞鳥であるとも言われています。
麒麟がくるというタイトルに込めた意味、果たして争いの無い世は来るのか?永遠の課題です。
麒麟は平和な世に現れるという伝説の生き物。しかし人間の争いはなくならない。永遠の課題です。 果たして争いの無い世は来るのか。そんな問いかけを込めたタイトルなんです。
私は麒麟という概念について。よく知らなかったので少しですが調べました。中国の書物には「仁のある君主の誕生時に姿を現す霊獣。角は肉に覆われ いかなる命も傷つけない」と書かれているそうです。仁とは 人に対する親愛の情のこと。 素敵なタイトルですよね。
僕は最初にタイトルを聞いた時、人物を指しているともとれると思ったんです。
あ、そうとも解釈できますね。麒麟は明智光秀が斎藤道三か、あるいは織田信長か。
誰が戦乱を納めるのか、ということですよね。美濃で言えば、一応は 斎藤道三がまとめていた。その斎藤道三を明智光秀はどう見てるのか。物語はそこから始まります。
ドラマの光秀は戦を避けたい人として描かれますが、当時としては異質の考えの持ち主ということでしょうか。
光秀は割と現代人に近いんですよ。一方、 斎藤道三は修羅場をくぐってきた人。その独特の緊張感が、自分の感覚とはどうも違うと光秀は感じてしまう。
僕は戦後生まれですが、戦争を知る父親とやはり違いを感じるんです。悲惨な事件などに接した時も僕は「 かわいそう」と思うけれど、父は諦観している。そうした違いが光秀と斎藤道三にもある気がします。
ただ、斎藤道三は戦もしたけれど、寺もたくさん立てていますよね。鎧の下には「南無法蓮華経」 と書いた紙を入れていたそうです。殺生もやむなしと言う諦観 と宗教心、どんなバランスをとっていたのか・・・・。
諦観しつつも死を受け入れる瞬間は、神仏に救われたとの思いがあるのでしょうね。
光秀は特に若い時は生きることへの執着が強い印象があります。明智家は男子が少なかったそうですし、土岐源氏の 血を引く明智気を残さねばという重圧は大きかっただろうと。光秀が、戦乱を避けるための道を探ったのには、そんな要因もあったのだと思います。
僕はね、「自分が光秀だったら?」と思って書いているんです。独裁的な道三の下でどう自分を制御し、納得させたのかと。そして長谷川さんが言うように、外に視野を広げる中で、全体の平和が無ければ個々の争いが絶えないと気づき、麒麟という概念に行き着くわけです。
道三が光秀にさまざまなお題を与えるのがおもしろいですよね。光秀がそのお題を素直に受け取らないところも(笑)
僕から見ると、「本木・道三」は多重人格なんです。急に手の平を返したり(笑)
でも演じていて、道三に感化されている自分がいるんですね。処世術的なことも影響を受けている感じがします。
光秀は道三だけでなく、いろいろな人からの影響を吸収していくんでしょうね。松永久秀と親睦を深めるシーンなど愉快だし。ほかでも外部から道三の評判を聞くことで、光秀は新たな視点も得る。池端先生の脚本は、そういうことがふっと伝わってくるからおもしろい。
あと、駒や望月東庵のような架空のキャラクターも魅力的です。
庶民が世の中やヒーローをどう見るかを、駒や東庵を通して書いています。戦でひどい目に遭うのは庶民ですから。東庵を医者にしたのは、大名も庶民も診る職業だからです。色々な人と付き合って時々皮肉な目で世の中を見る。書いていて楽しいキャラクターですね。
実際、医師と僧侶にはスパイが多かったんです。その分、殺される確率も高かった。
道三も光秀のことをスパイとして使いますよね。光秀がスパイ活動中に幼い竹千代(後の徳川家康)と会うシーンなど、奇想天外でおもしろい。
道三は光秀をスパイとして使いますが、単なる道具とは思っていません。光秀を戦場に送った道三が、城から戦況を見るシーンがありますが、監督から「戦の駆け引きだけでなく、光秀を見て、彼を戦死させてはならないという思いをよぎらせてほいい」と言われたんです。つまり道三は逸材と見抜いた光秀を大事に育てようとしている。
いい話ですね。道三にも繊細なところがあって、光秀の前では素顔がのぞくときもあります。光秀を信用しているんですよ。
緊張感の中でふと違う表情をかいま見せる道三というのは、演じていて難しいです。ゆるみすぎてもいけないし・・・・。
僕は台詞の”間”が難しいです。下手をしたら会話の緊張感が崩れてしまう。凄く繊細な脚本ですよね。
じっと聞き、心の中では感情が動いているんです。「わぁ、コレを演じる長谷川さんは大変だ」と思いながら脚本を書いています(笑)
そうなんですか(笑い) 光秀の心情は、なかなか捉えどころがない。でも、たぶんそれでいいのかなと。つまり光秀自身も自分がよく分かっていない。
ものすごいスピードで感じたり計算したりしているように見える。答えは出ていないが、道三の言葉を深く受け止め、考えをめぐらせているのが分かる。外見はさっぱりしたかわいい顔をしているけれども・・・・・。
でも、ふっと何かを発するときには、骨太な強さを感じます。
「本木・道三」がそう感じているなら間違いないですよ。いちばん「長谷川・光秀」のことを見ているわけだから。実は、脚本家も手探りで書いているのが前半なんです。そう簡単に答えがでませんよ。生死にかかわることが多いから。
道三は光秀の器を見抜いていますが、別の形で彼の力を見抜いているのが、駒だとおもうんです。成長していく光秀に、「あなたの純粋さを大切にしてください」という感じでフォローし続けている。駒を通して光秀の応援していきたくなるんです。

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五分五分の判断を描きたい
ドラマの前半では、道三と高政(たかまさ)の父子関係の間で悩む光秀も描きます。僕は、光秀の1つの軸は、正義感だと思うんです。道三に対する反発も正義感から来ている。その光秀が、高政を見て「果たして麒麟を連れてくる人か」と自分に問い、相対的に考えてジャッジをする。
難しいんです、そこの芝居が。道三と高政、それぞれに対してどんな思いでいたのか、本心は何処にあるんだろうと。
頭で考えて動くんじゃなく、感情で動くんです。「あ、この人、嫌だ」という感じで。
現代より動物的な感覚が鋭かったのでしょうね。最後の最後まで気持ちは五分五分で、自分でも「なぜこうしたんだろう?」と。
池端先生が以前「光秀は宿命を受け入れる人」とおっしゃっていたのもそういうことなのかな・・・・。自分が「行きたい」のではなく、自然に「行ってしまう」という・・・・・。あ、こんな説明じゃ意味不明か(笑)
いや、道三もそういうところがあると思うので、分かります。冷静な判断の薄皮1枚手前にある「こうせずにはいられない」という感情に身をゆだねるってことがあると思う。
脚本家としては、そういうとっさの判断を捉えていきたいわけ。予定調和でなく「どうするの?」とドキドキしながら見てほしい。後の「本能寺の変」のジャッジも含めて。
僕は今、今回の現場がなぜこんなにおもしろいのか分かりました。どのシーンも白黒がつかないことが多くて、最初は気持ち悪かったんです。でも、今は心地いい。「どうなる?」と思いながらライブ感覚で芝居できるから心地いいんだなと。
私はネガティブ思考の役者なので(笑)、常に綱渡りの気分ですが、もちろん予定調和でない芝居が理想で、本番ではテンションを変えるなど、小さな賭けはしています。そして、役者同士の化学反応とか、思わぬ風が吹くとか、偶発性も借りながら、よい意味で予定不調和なものが画面からはみ出たらいいなと思っています。
戦国期は個性的な人物が多く、それを現代の個性的な俳優さんが演じるのが大河ドラマの醍醐味。お二人の躍動がますます楽しみになりました。
池端さんの脚本、4Kで撮る戦国、そしてなんといっても「長谷川・光秀」。新鮮な驚きが盛りだくさんのドラマになると思います。私もかつて大河の主役をやらせていただきましたが、視聴者に見もまれながら確実に成長できた。長谷川さんがどこまで光秀像を拡大してくれるのか。ワクワクしています。
光秀役のハードルがさらに高くなりました(笑)。でもありがたいです。視聴者の皆さんには、史実の先入観抜きで見ていただけたらと思います!
麒麟がくる 前編
NHK大河ドラマ・ガイド
NHK出版
NHKドラマ制作班
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内容情報
[日販商品データベースより]
光秀と戦国を彩る英傑たちの、熱き青春群像!
2020年放送、大注目の大河ドラマを完全ガイド
大河ドラマ『麒麟がくる』をとことん楽しむためのガイドブック第1弾。
巻頭は、主演・長谷川博己(明智光秀役)、本木雅弘(斎藤道三役)、池端俊策(脚本家)によるグラビア座談会。豪華出演者紹介&インタビューやあらすじ、舞台地紹介、美術・セットなどの魅力を徹底解説する。過去の大河ドラマのプレイバック企画も収載した、情報満載の一冊。
【豪華出演者インタビュー】長谷川博己、染谷将太、門脇 麦、石川さゆり、西村まさ彦、木村文乃、尾美としのり、川口春奈、伊藤英明、南 果歩、高橋克典、檀 れい、岡村隆史、片岡愛之助、伊吹吾郎、吉田鋼太郎、谷原章介、眞島秀和、向井 理、尾野真千子、堺 正章、本木雅弘 ほか(掲載順)
麒麟がくる 登場人物関係図

あらすじ解説主要キャスト主要スタッフ公式コンテンツ
応仁の乱後、世は乱れ、無秩序状態の中で、天下を統一し、乱世をおさめようとする戦国の英雄たちが登場しはじめる。
1540年代なかば、東西の要衝たる美濃の地に、一人の若き虎がいた。
名は明智十兵衛光秀。一介の牢人である青年光秀の胸の奥にはまだ自分でも気づかぬ静かな炎が燃えていた。
当時、美濃を治める土岐氏一族は内紛にことかかなかった。周囲を尾張の織田、駿河の今川、越前の朝倉に囲まれ、常に攻め込まれる危険を抱えた美濃で、若き虎は戦に駆り出されては、敵を撃破、その勇猛果敢な働きと戦略的才能は、土岐家の筆頭家臣、斎藤利政の目にとまり、利政に抜擢ばってきされていく。その利政こそ、いずれ土岐家をのっとり、美濃を手中におさめる「斎藤道三」その人であった…。
長谷川博己 <主人公・明智光秀 役>
向井 理 <足利義輝 役>
木村文乃 <煕子 役>
南 果歩 <深芳野 役>
村田雄浩 <稲葉良通(一鉄)役>
徳重 聡 <藤田伝吾 役>
片岡愛之助 <今川義元 役>
檀 れい <土田御前 役>
尾野真千子 <伊呂波太夫 役>
佐々木蔵之介 <藤吉郎 役>
滝藤賢一 <足利義昭 役>
谷原章介 <徳川家康 役>
風間俊介 <三淵藤英 役>
眞島秀和 <細川藤孝(幽斎)役>
吉田鋼太郎 <松永久秀 役>
伊吹吾郎 <太原雪斎 役>
門脇麦 <駒 役>
岡村隆史 <菊丸 役>
石川さゆり <牧 役>
西村まさ彦 <明智光安 役>
高橋克典 <織田信秀 役>
伊藤英明 <斎藤義龍 役>
染谷将太 <織田信長 役>
堺 正章 <望月東庵 役>
本木雅弘 <斎藤道三 役>
語り 市川海老蔵
脚本
池端俊策
制作統括
落合 将
演出
大原 拓
一色隆司
佐々木善春
深川貴志
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